日本刀の選び方

日本刀の選び方

 

日本刀を自分の手元に置きたい、そんな願いをもって購入を考えた時、どのような選び方をすればよいのでしょうか。
 もちろん、個人の好みにあったものを選ぶのが一番にちがいありませんが、用途や種類別に基本的な知識をもっていると選択のヒントになるでしょう。
 まず、武道の稽古などで実際に使用する人について考えてみたいと思います。

 

 真剣を使用する武道は居合道や抜刀道、いくつかの古流剣術の流派がありますが、それぞれの流派や会派で決められたものを除けば、自分の身長に合わせて選ぶ方法があります。

 

 成人男性の平均身長が160cm未満だったといわれる江戸時代の刀は、二尺二寸(約69.7cm)〜二尺三寸(約71.2cm)がもっともスタンダードな長さとされ、これを「定寸(じょうすん)」と呼びます。

 

 さらには長さのほかに反りの深さや重量のバランスなども刀によって大きく個体差があるので、自分にとって使いやすいものを選ぶのがよいでしょう。
観賞用の刀を選ぶときには、刀身に浮き出る「刃文」や、刀身に彫られた彫刻に各人の好みが出るようです。日本刀はその姿形から制作された時代を推定することができるため、一定の時代に作刀されたものにこだわる愛好家も存在します。

 

 また、各刀匠によっても大きく作風が異なるため、自分の好きな刀匠一門の手による刀を選ぶのもまた楽しみとされています。さらには刀身だけではなく、鞘や鍔といった「拵え」と呼ばれる外装一式についても、職人の手による美しい工芸品として刀と不可分のものとなっています。
 自分の好みに加えて、歴史的な知識や一定の鑑識眼を身に付けることで、よりいっそう日本刀を選ぶことが楽しくなるでしょう。

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