日本刀の鑑定方法

日本刀の鑑定方法

 

日本刀は高い美術的価値をもつ文化財であり、優品には重要文化財や国宝として指定されるものも数多く存在し、その鑑定には専門的な知識が必要となります。

 

 日本刀の鑑定方法には大まかに分けて、刀姿から制作された時代を同定すること、作風や茎(なかご)に切られた銘から制作者である刀匠を同定することが挙げられます。

 

 日本刀は時代によってその姿に一定の傾向があり、それによって制作された時代を特定することができます。大分類では「古刀」、「新刀」、「新々刀」に分けられ、古刀とは江戸時代直前の慶長(1596〜1615年)以前に製作されたものを指しています。

 

 新刀は慶長から江戸時代後期の明和元年(1764年)までの間のもので、新々刀は明和元年から廃刀令が発せられる明治九年(1876年)までに制作された刀のことです。

 

 戦国時代ごろまでの刀は主に反りの深い「太刀」形式のもので、平和な時代になると侍が腰に差している反りが浅めの「打(うち)刀(がたな)」の形式が主流になります。

 

 一般に時代が降るほど反りが深く長大で、豪壮な作りのものが多くなるといわれますが、用途や製作者の意図などによっても一様ではありません。
 日本刀の作風については、山城国・大和国・備前国・美濃国・相模国の五カ国の刀工が確立したものをそれぞれ「山城伝」、「大和伝」、「備前伝」、「美濃伝」、「相州伝」といい、これらをまとめて「五箇伝」と呼びます。

 

 この五箇伝の作風を把握することによってどのような系統の刀工によって作られた刀なのかを知ることができるのです。
 刀のブランドである「銘」が確認できない場合も、以上の点を確認することで鑑定が可能となる場合があるのです。

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