沖田総司について書きます
新撰組隊士の一人、そして一番隊組長でもある「沖田総司」。
新撰組を扱った作品では必ず(当然ながら)出現し、肺病を患っていたとされる事実から、どこか影のある人物として描かれることが多い隊士です。この沖田総司の愛刀は、「菊一文字則宗」である、という認識が一般に広まっていますが、果たしてそれは真実なのでしょうか。
結論から言いますと、沖田総司の愛刀が菊一文字則宗であったとするのは司馬遼太郎氏(※1)の作品「新撰組血風録」の創作である、という見方がほぼ確実となっています。
その理由は、菊一文字則宗の価値にあるとされています。この刀は、豊臣秀吉が愛宕神社というところに奉納した一振りがあるとされていますが、この神社も一級であれば、奉納した人は当時の天下人です。とするならば、いかに新撰組一番隊組長といえども、こういった価値のある刀を所持できる道理はありませんよね。
まして、それを実践に使うなどもってのほかだったことでしょう。
沖田総司が実際に所有していた刀としては、「加州清光」(かしゅうきよみつ)、「大和守安定」(やまとのかみやすさだ)が知られています。
加州清光は池田屋事件でも用いられ、その修理を担当した研ぎ師が当時の記録に残しています。
ただしこの件で刀の先端が折れてしまい、以後は使えなくなってしまったそうです。
大和守安定は武蔵国の刀工で、その造りは虎徹に近いものがあったそうです。沖田総司も愛用していましたが、同じく新撰組隊士であった大石鍬次郎も愛用していたとされています。というわけで、菊一文字則宗であるという話は、今ではほとんど創作の中だけの話、ということにされてしまっているのです。
司馬遼太郎について
※1 司馬遼太郎はこんな人
司馬 ?太郎(しば りょうたろう)1923年(大正12年)8月7日大阪府大阪市生まれ。
日本の小説家であり、評論家。本名は「福田 定一(ふくだ ていいち)」
代表作は『竜馬がゆく』・『燃えよ剣』・『国盗り物語』・『坂の上の雲』など。
戦国時代の話、幕末や明治時代を背景にした作品が多く、、
多数のエッセイなどでも活発な文明批評家でもありました。
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